【国内事例】感覚からデータへ!総合化学メーカー様に学ぶ、予知保全への3ステップ

国内総合化学メーカー様
最適な予知保全と潤滑管理の実現

事例サマリー

本事例では、超音波測定器(ULTRAPROBE 15000)を用いて給脂中の潤滑状態を可視化し、現場で多発する「過給脂」を防いで設備の寿命を延ばすための具体的な検証プロセスをご紹介します。

項目 詳細内容
業界 国内総合化学メーカー
課題 グリス給脂による潤滑状態の改善確認と、適切な給脂量の判断
使用機器 ULTRAPROBE 15000、マグネット式超音波センサ
成果 摩擦低減のリアルタイムな可視化と、現場で多発する「過給脂(過充填)」の気づき

感覚からデータへ:潤滑管理の「見える化」

現場の設備メンテナンスでは、グリスの給脂時期や給脂量の判断は、あらかじめ設定された基準や目安に基づいて行われるのが一般的です。しかし、その基準や目安は本当に正しいといえるのでしょうか。実は、ほとんどの現場では「過給脂」になっていることにすら気づいていないのが実情です。この疑問を検証するため、現場でデモンストレーションを実施しました。検証では、 ULTRAPROBE 15000とマグネット式の超音波センサを用いて、実際にグリス給脂を行いながら超音波の状態をモニタリングしました。超音波の強度を表すデシベル値(dB)は、「摩擦の大きさ」を定量化した数値です。このデータに基づき、2つの異なる設備で対照的な結果が得られました。

超音波が捉えた2つの真実:適正な給脂 vs 過給脂

事例1:精密な給脂の成功

ポンプ給脂
対象:ポンプ用モーターの反負荷側軸受
給脂前:25dB → 給脂後:13dB
経過:給脂開始から約13秒後に音が静かになり、時間波形の振幅も小さくなりました。これは潤滑状態が改善し、摩擦が減ったことを意味します。
結果:数値が落ち着いた時点で給脂をストップし、最終的に 13dB まで下がりました。
audioアイコンチェックポイント

給脂を「止める」タイミング

摩擦が減り、デシベル値が13dBで安定した時点で 給脂をストップしたことが適切な潤滑を実現できた要因です。 もし数値を見ずに従来通りに給脂をしていれば、グリスが足りなかったり、逆に過剰に供給された状態になっていた可能性があります。特に給脂しても数値が下がらない場合は注意が必要です。(次の事例2をご確認ください)

audioアイコン実際の測定音を聞く

※開始から約13秒後に音が静かになる様子をご確認ください。

モータ給脂音声

事例2:過充填リスクの発見

ポンプ給脂
対象:ポンプのカップリング側軸受
給脂前:31dB → 給脂後:35dB
経過:給脂中も音声の変化はなく、波形後半でホワイトノイズが若干大きくなりました。
結果:デシベル値は 35dBへと上昇しました。グリスを必要としていないタイミングで給脂を行ったため、「過給脂(過充填)」を引き起こしてしまいました。
audioアイコンチェックポイント

給脂の実施有無の判断

この軸受は、グリスを必要としていない状態で給脂をおこなったため、デシベル値が上昇しました。いわゆる過充填の状態です。 ベースライン(基準となる正常時のデシベル値)を設定しておけば、給脂の必要があるのかどうかを判断することが可能になります。 カレンダー通りに行う「盲目的な定期給脂」は、かえって設備の寿命を縮めてしまう可能性があります。

audioアイコン実際の測定音を聞く

※給脂中も音声は変わらず、波形後半でノイズが少し増えました。

ポンプ給脂

給脂の過不足を防ぎ、設備寿命を最大化する「3つのステップ」

今回の検証から、感覚的な定期給脂がいかに「過充填(過給脂)」のリスクを孕んでいるかが浮き彫りになりました。不要な過給脂を防ぎ、真の予知保全を実現するためには、感覚的な定期給脂から脱却し、真の予知保全を実現するためのプロセスが不可欠です。

STEP 1

ベースラインの確立

正常に稼働している状態での超音波のデシベル値(ベースライン)をあらかじめ測定し、基準として記録しておきます。これがすべての出発点となります。

STEP 2

状態基準の給脂(CBL)
(Condition Based Lubrication)

定期的に測定を行い、数値の上昇が見られた場合にのみ給脂を実施します。給脂によってベースライン値まで下がれば「適量」のサインです。

STEP 3

ISOガイドラインの遵守

「ベースラインから何dB上昇したら給脂が必要か」については、ISOのガイドラインを基準として活用し、科学的な根拠に基づいた運用を行います。

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